会長挨拶
第66回日本小児股関節研究会
会長 佐野 敬介
愛媛県立子ども療育センター 整形外科 医監
このたび第66回日本小児股関節研究会を2027年6月4日(金)~5日(土)の2日間、愛媛県松山市の松山市立子規記念博物館にて開催する運びとなりました。岡山大学整形外科学教室小児グループとしては田邊剛造先生、小田 浤先生、赤澤啓史先生、三谷 茂先生に続いて5度目の開催となり、大変光栄に存じております。また歴史と伝統ある本研究会を、私が生まれ育ちました愛媛・松山で開催できることに大きな喜びを感じております。
今回研究会のテーマを「Wider still and wider」と致しました。これはエドワード・エルガー作曲の威風堂々第1番につけた歌詞の一節であり、直訳すると「より広く、広く」となります。少子化に伴い我が国の小児股関節疾患の症例数は確実に減っております。このため今後重要になってくるのは「症例数の減少=診療レベルの低下、とならないような努力」及び「小児股関節診療に携わる医師の勧誘・育成」であり、いずれも本研究会が積極的に関わる必要があると考えております。上記2点のいずれも小児整形外科医のみで対処するのでは不十分であり、今まで以上に成人股関節外科医との連携が重要であると私は考えております。そこで今回は従来通りの本研究会の良さを残しつつ、成人股関節外科医の先生方にも参加していただくような内容の会にしたいと考えております。本研究会の裾野を小児・成人の枠を超えて広げていきたい、そしてより多くの先生方に小児股関節診療に携わっていただきたい、という願いを込めて今回上記テーマとしております。
特別講演及びランチョンセミナーと致しまして、4講演を予定しております。
小児股関節疾患は治療に難渋する症例も多く存在しており、その後の治療を成人股関節外科医にお願いせざるを得なかった経験は皆様お持ちかと思います。小児整形外科医としては最善を尽くしたつもりでも、成人股関節外科医側からは「もう少し早くバトンタッチしてもらえたら」、など違った意見が出てくる場合もあります。そこで今回獨協医科大学埼玉医療センター 整形外科の神野哲也教授に「salvage手術症例から考える小児股関節疾患治療」というタイトルで御講演をお願い致しました。またGraf法や関節水腫をチェックすることのみに留まらない小児股関節エコー検査の可能性につきまして、千葉こどもとおとなの整形外科副院長の都丸洋平先生に御講演をお願い致しました。また今後我が国の小児整形外科が更に発展するには基礎研究の充実が必要だと私自身考えておりますので、愛媛大学医学部病態生理学講座の今井祐記教授に「エピゲノムによる成長軟骨制御の分子基盤」につきまして御講演をお願い致しました。今井先生は元々大阪市立大学整形外科にて小児整形外科診療に従事されており、今回は「里帰り講演」となります。また小児股関節手術に必要な解剖知識と手技のコツにつきまして、私の師匠であります川崎医科大学整形外科の三谷茂教授に御講演をお願い致しました。
シンポジウムは「成人股関節外科医と共に考える小児股関節骨切り術」、「小児股関節スポーツ障害」という2題を開催致します。どちらも成人股関節外科医の先生方にも御参加いただき、小児・成人の垣根を越えて御討議戴きたいと考えております。
また本研究会の大事な柱である症例検討にも多くの時間を割きたいと考えております。
今回会場は道後温泉のすぐ近くであり、日頃の診療の疲れを癒していただくには最適では、と考えております。また松山が生んだ近代俳句の父・正岡子規を顕彰した博物館が会場となっておりますので、是非子規や俳句にも触れていただければと思います。
初日夜の全員懇親会及び二次会も全力で準備させていただきます。
多くの先生方と愛媛・松山でお会いできることを楽しみにしておりますので、よろしくお願い申し上げます。